正直、深宮と二人っきりは気まずい。


さっきの話途中で終わったし。


よく考えたら、あたしすっごい恥ずかしいこと言わなかった?


うわ、どうしよう…。

どうか、あの事に触れませんように…。




「そーいえば」


「ん?」


何だろ…



「柊と萩原はいつから仲いいの?」


セーフ!

「去年の5月くらいからかな」


「へぇ~、もっと長い付き合いかと思った。」


「確かに1年ちょいの付き合いだとは自分でも思えない。」


毎日が濃いからね…。


「俺も慎に聞かれた時のために萩原情報集めようと思ったんだけどな~。」


「1年ちょいの割には優美のこと、結構知ってるよ?」


かかってこい、とでも言うみたいに構えて見せる。


「ん~、さっき甘党だってのは聞いたから…、あれだ、歴代彼氏!」


「初恋が藤谷だって言ってたから、初彼も藤谷だと思う。」

優美は好きでもない人と付き合ったりはしない。

…そんな確信がある。


「――は?」


「え?」

聞いてなかった。


「だから、柊の歴代彼氏は?」


「…そんなこと聞いてどうするの?」


我ながらズルい返しだと思う。