複雑な心境のまま時間は過ぎて


P.M.4:20。




「ちょっと早いけど帰ろう!」


…優美、あんた藤谷と二人っきりになりたいのバレバレ。







駅までは4人で行き。

藤谷が優美を送ると言うので、

「それじゃ、また学校で~♪」

「…ばいばい。」


るんるん♪という擬音がぴったりな足取りで歩いて行く優美を優しく見つめる藤谷。



…お似合いにもほどがある。





あたしはというと。




…必然的に深宮と二人きりになるわけで。


「あたしこっちだから…。」


そ~っとその場を去ろうとしたのに、


「送る。」


深宮が優しいのは、充分わかったから。


「今日は暗くないし。」



5月末の4時半なんて普通に明るい。



「明るいからこそ気を付けなきゃいけないこともあるでしょーが。」



「ホントに大丈夫だから。」
「そんなに俺と帰るのが嫌?」

うゔっ、


「そーゆわけじゃ…。」

「じゃ、行くか♪」





…結局こうなるのか。