「何黙ってんの~。」
顔を覗きこむと、
耳まで真っ赤なんですけど。
「うわ、見んなよ…」
そんな焦った表情は、いつものチャラい深宮からは想像できないもので、
…なんか可愛かった。
いじめたくなったので
「深宮~?耳真っ赤だよ~?」
と教えてあげると
さらに赤くなる深宮の耳。
面白~い♪
「ぅるせっ!あんまり言うとスピード上げるぞ!」
それは困る。
「深宮といる時間が減ったらヤだからもう言わな~い♪」
…この台詞は半分冗談で半分本気。
らしくない。
どうしちゃったんだろ。
こんなにも《帰りたくない》と思うことなんて、初めてで。
《深宮と一緒にいたいかも》とか思うことなんて、あたしの常識の範囲内を超越してて。
自分で自分がわかんない。
混乱してたあたしにの耳には
「んな可愛いこと言うなよ…。」
なんて呟きは届かなかった。