…慧の顔、近くにあるなぁ…。
ボーッとそんな事を考えていたら、
突然ふわっと抱きしめられた。
え、え、何コレ。さっきまであんな怒ってたじゃん。
急展開に着いていけなくて脳がフリーズする。
「…会いたかった…。。」
聞き取れない程小さい声で絞り出すように呟いた慧。
幻聴…、じゃないだろうな。
たかがニ週間。
されどニ週間。
慧が今どんなカオをしてるかは見えないけど、背中に回された手が微かに震えてる。
…あったかい…。
慧の匂いに包まれてなんとなく泣きそうになった。
―あたしも、会いたかったよ。
思わず慧の背中に手を回しそうになって、止めた。
…ダメだよ。ダメなんだよ。
微動だにしないあたしに、少なからず驚いたようなショックを受けたような表情であたしから離れた慧。
さっきまであった温もりが無くなって、エアコンの風でブルッと体を震わせる。
「寒い?」
相変わらず目ざといな、慧は。
「別に…。」
素っ気なく返事をしながらも気遣わしげな慧の声色にどことなく嬉しくなった。
