『知ってるも何も…、親父の名前、だけど。』
耳を疑った。
え、待って。だって。何で?待って。
『…寧々?どうかし「あー、ごめん!あたしの勘違いだった。フカミヤマサユキだってー。店長が呼んでるから切るねー!」
ブチッ
…ちゃんと、誤魔化せた、よね?
動揺なんて伝わってないよね?
電話なんて慣れないことしないで、メールにしておけば良かった。
失敗失敗。
あー、びっくりした!
あたしの父が“フカミヤマサキ”で、慧の父も“フカミヤマサキ”。
同姓同名?そんな偶然なんてあるんだねー。
漢字にすれば違うかも。
深宮雅紀とか深宮正樹とか!
深見山崎ってゆーパターンもあるかも!
ホント偶然!偶然偶然超偶然!
いやー。まさかね?同一人物だなんて、あたしと慧が兄弟だなんて、そっちの方が確率的に有り得ないよね!
うん、無い!絶対無い!そんなワケないよ、うん。
もー、帰ろ。こんな駐車場に居たって意味ないし。さっさと帰ろ。
もちろんタクシーなんか乗らないで計算通り電車で帰ろ。
