ドアを閉めると共にストップウォッチも止める。 ぴったり5分00秒00で止まってるケータイの画面を京太さんに見せると 「確かに。」 と軽く頷いた。 「あたし先帰ります。タクシー代。」 手を出して顎で京太さんの鞄を指し示す。 黒い長財布から一万円札を引き抜いてあたしの手のひらにのせた京太さんに 無言で“もう一枚”と目線を送る。 京太さんが財布から一万円札を抜き取ると同時にその手から奪い取るようにして 「さようなら。」 手の代わりに2万円を振ってその場を去った。