「…手、繋いで下さい…」
「りょーかい♪」
さっきよりも頑丈に手を握られる。
ムスッとしてるあたしとは対照的に、素晴らしく笑顔な慧がものすごく腹ただしい。
何が「りょーかい♪」だばーか。
そもそも何であたしが「手、繋いで」なんて頼まなくちゃなんないのよばーか。
人の気も知らないで無駄にヘラヘラしやがって…。
こちとら心拍数を上げないようにするだけで精一杯なんだよばーか。
相変わらず隣でのんびり歩いてる慧の顔を見つめ(にらみ)ながら心の中で悪態をついてると、
「ん。着いたぞ。」
一軒の家の前で足を止めて、
「今鍵開けるー。」
ズボンのポケットから鍵を出してガチャガチャしだした慧。
ようやく解放された左手を動かしながらドアが開くのを待って
「どーぞー。」
「お邪魔します…。」
ちょっと緊張しながら玄関に入った。
