遡ること、数分…。


教室には日直の深宮とあたしの二人きり。


「柊…」

「何。」

「二人っきりだな…」

「日直だからね。」

放課後わざわざ教室に残るヤツなんて居ないし。


「なんだよ、つれねーの。」

「バカなこと言ってないで、働けば。」

「柊こそ、んな真面目に日誌なんか書いても何の特にもならねぇって…、うわ雑ー。」

「さっさと終わらせたいし。」

「にしてもひでぇってそれ…」

「誰の特にもならないんだからいーんじゃん。」


あたし逹が言い合いをしていると


「あれ、優…萩原は?」

どっか(多分トイレ)から藤谷が戻ってきた。


第一声がこれって…、頭ん中優美一色過ぎるでしょ。


呆れを通り越して、心配になってきた。



ちなみに優萩原ってゆーのは、優美、って言いかけて、萩原に言い直すっていう定番のパターンです。


藤谷が二人きりの時だけ優美のことを名前で呼んでるのなんて優美からのメールで引くほど確認済みなんだけど、

藤谷本人はバレてないと思って隠すためにわざわざ言い直してくるとこが、めんどくさい。


そのウザさといったら、あの深宮をも飽きさせる事が出来るほど。