「大丈夫?もしかしてまだ風邪治ってないの?」


「いえ、ただの睡眠不足です。すいません。今からちゃんと働きますね。」


働くっていっても、朝の10時じゃお店も開いてないから、掃除とか下準備だけなんだけど。


ホントはこんな時間にバイトなんか必要ないのに、わざわざあたしだけの為にお店を開けて、いつもと変わらない時給を出してくれてるんだよね。


あたしなんかの為にどうしてここまでしてくれるのかわかんないけど、してもらってるからには全力で返さなきゃ。



自分勝手な理由で、寝てる場合じゃない。





更衣室から出て、余計なことは考え無いように、ひたすら掃除に打ち込んだ。