「ちょっ、そこ退いて!」

上に乗っかってる深宮を払いのけて起き上がると

「…った…」

腰、痛い…


「大丈夫?」

心配そうに近付いてくる深宮。

いや、その前に

「服着てよ!」

「いーじゃん。昨日全部見たんだし?」

「そーゆう問題じゃない!」

「柊も裸じゃん。」


あ、そっか…

あ、そっか…?


「うわぁ!着替えるから出てって!」

「だから昨日…「だからそーゆう問題じゃない!」


床に落ちてた服を持たせて部屋の外に追いやって、


急いで着替えて部屋から出て、顔洗って歯を磨いて部屋に戻ってメイクをして眼鏡をかける。

ただいまの時間、8時33分。

ケータイと財布と鍵を鞄に入れて

「ごめん!バイトだから今すぐ家出る!」

深宮に声を掛ける。


「…バイトって昨日の居酒屋?」

「うん。」

「送る。」


別にいいよ、って言いたいところだけど

「…じゃあ、お願いします。」

正直、すごい助かる。


「お、珍しく柊が素直~。」

「…うん。ごめん。」

何に謝ってんのかわかんないけど。

人に何か頼むとか全然慣れてないから、もうどうしたらいいのか…