「ごめ…、なんでもないから…


…忘れてっ!」




「おいっ!」









嘘だ。

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。





そんな事って…






だって“好き”って…




違う。






違うって。




あたしが人を好きになるとか、



深宮の事が好きだとか、



そんなわけないって




















…言える?







「…柊!」


「深宮…」


「おま…、チャリから逃げられると思ったのかよ…」



息を切らしながら自転車から降りて、こっちに向かって歩いてくる深宮。


「来ないでよ…」


思わず後ろに下がる。


「……。」


「だからなんでもないって…、さっきのは忘れてって言ったでしょ…」


「ムリ。」

「んっ…!?」


やだ。



「…離して!」


やだ。


「キスなんかしないでよ…」




これ以上混乱させないで。





「深宮が悪いんだから!」

「………。」



ほら







止まらなくなる。