違う。
そんなはずはない。
あたしが
そんな感情持つはずがない。
だからおさまって。
はやくおさまってよ…。
沸き上がった感情を、無理矢理押し殺して。
ドライヤーをして
いつもより濃いめのメイクをして
低い位置で髪を結んで
眼鏡をかけて
バイトに行く準備を整えた。
大丈夫。普段通りのあたしだ。
ふぅー、っと息を吐いて
ドアを開ける。
スマホをいじっていた手を止めて、視線を上げた深宮と目が合う。
驚いてる、驚いてる♪
「えっ?柊?顔違う…?」
当たり前。
学校でしてるナチュラルメイクとは全然違う、老けメイクしてるんだから。
「深宮から見ても違うんなら、大成功だね。変装メイク。」
「変装…?」
「あたしのバイト先、居酒屋だから。店長に頼んで大学生って事にして置いて貰ってるし。」
「居酒屋?!それって学校には…」
「もちろん言ってない。」
「バレたらどうすんだよ?!」
「ここ一年バレてないし。」
