え…っ
「ぶ、部長…っ?手…手…っ!
離して…ください」
繋がれた手から部長の体温が伝わってくる。
「なんか、心配だからダメだ。
席までだから我慢しろ」
我慢って言われても!
…やばい。
手に汗かいてきた。
部長に気づかれてないかな?
いや絶対バレてるよね!?
早く席ついてー!
私がそんなことを思っているなか、
部長は店員さんに案内されながら
ずんずん前に進んでいく。
その間も私は引かれた手が気になっていた。
部長、手おっきいなぁ…
私の手のひら全部包み込んじゃってる。
ごつごつしてて、だけどスラッと長い指、
あ、席に着いちゃう。
案内された席に、ついたとたん
部長は手を離す。
「…あっ」
「ん?どうかしたか、七瀬」
「あ、いえ…べつに…」
あっ、と声をもらした私に
部長が気づきそう聞いてきた。
…私、今何考えた…?
もっと、触れて。


