鬼部長の優しい手




「ぶ、部長?あの、でも、
冷却シートとか買いにいかないと…」


「熱なんて寝てれば治る。
だから、今だけ…」




駄々をこねる子供のように
部長は嫌々と首を横に振る。



か、可愛い…!
普段はあんなに怖いくせに、
こんなときだけ甘えた仕草するなんて
ずるい…!


…って、そうじゃなくて…





「…わかりました。
どこにもいきません、そばにいますから

とあえず、手を離してくれませんか?」


「本当か?本当にどこにもいかないか?」






涙目で、そう聞いてくる部長。



もう!ほんとにずるい!





「本当です。ずっとそばにいますよ」


「そうか…ん。」






…きっと部長、怖いんだ。
紗耶香が死んでしまったように、
外に出れば私も死んでしまうと思ってるんだ。







…大丈夫。大丈夫ですよ部長




「私はどこにもいきません。」