「あ、あの、部長
今なんて……?」
「い、一回で理解しろ!」
「え、あ……っ、すみません!」
あれ?なんで、私謝ってるの?
特に悪いことしてないよね?
って、言うかそんなことより、
部長、今…“時間あるか?”って言ったよね?
どうして私の都合なんて聞いたんだろう?
「あの…っ、もしかして
こここ個別で指導…とかですか!?」
「は?指導?なんのことだ?」
「えっ、違うんですか?」
私の質問に心底驚いた様子の塚本部長。
私、なにかおかしなこと聞いたかな…?
私が、うーんと唸っていると
部長がまた、声を漏らした。
「俺は、ただ…七瀬とご飯でも行きたいな、
とか思って…
あぁ、もちろん七瀬さえよければだけど…」
「あぁ、なるほど!一緒にご飯…
一緒にご飯!?」
私と…部長と…
ふ、ふふ二人きりで…!?
「あ、あぁ…
やっぱり、ダメだったか…?」
あからさまに悲しそうな顔をして
残念そうに肩を落とす部長。
いつも眉間にシワ寄せて、
いつも怒ってるくせに、
なんでこんなときだけ、そんな
顔すんの!
そんなの、ずるい。
断れない。


