しばらく、放心状態の私を見てか
部長は、また畳み掛けるように
言葉を続けた。
「反論なんて聞かないからな。
これは、部長命令だ」
…なんて、頬を少し膨らませ
眉間にシワを寄せた、
普段の鬼の表情からは程遠い、
まるで駄々をこねる子供のような
表情をした部長。
…あの日から、こんなことを
言うものだから、調子が狂う…。
いつもの”鬼の塚本“は怖くて嫌だけど、
こっちの部長の方が数倍たちが悪い。
…部長、絶対ねらってあんなこと
言ってるんだ。
いつか、絶対みんなに部長の甘え上戸な
裏の顔
バラしてやるんだから!
私はそう意気込んで、自分のデスクに
戻っていった部長の背中に
視線を向けた。


