少し赤くなった顔、
恥ずかしいのか、少し潤んだ瞳。


…そんな可愛い顔でさ、
そんなこと言わないでよ。



俺、バカだから、またいいように
解釈しちゃうよ?



俺と七瀬ちゃんを見て、
“嫉妬”してくれたんだ、とか思っちゃうよ?



「黛実ちゃんって、
以外に嫉妬深いんだね。

まぁ、男としては嬉しいよ。
好きな女に嫉妬されるのって。」



半分冗談。
…半分本気。


出来るだけ明るい口調で、
冗談っぽく言ってみた。



「…」


どんな反論がくるんだろうと思って
構えてたのに、
黛実ちゃんは、ずっと黙ったまま。



…え、ちょっと
このタイミングで無視はやめて?
なんか恥ずかしくなってくるから…。



黛実ちゃんとの間に妙な空気が流れる。

いつの間にか、さっきまで楽しそうに
笑っていた七瀬ちゃんは、
コピー作業に戻っていた。




…まぁ、七瀬ちゃんが戻ってくれたのは
嬉しいけど。
さっき、七瀬ちゃんと話してるとき、
塚本部長からの厳しい視線が
痛かったんだよね…



なんて、バカなことを考えてる俺に、
次の瞬間、とんでもない爆弾が落とされた。






「本当に?」


「え…?」


「本当に、嫉妬されるのって、
嬉しい?
私27よ?10代なら、可愛いだろうけど。

嫉妬なんてして、
うざいって思わない?」



…黛実ちゃんはバッと立ち上がり、
俺に近づき、そう言った。