え、ちょっと待って!
「黛実ちゃん、それって…」
ちょっとは俺のこと、
気にしてくれてたってこと?
…あー、やばい。
なんでそんなこと言っちゃうんだよ。
なんで、そんな可愛いこと言うんだよ
なんでいつもそうやって、
俺の欲しい言葉をくれるんだよ。
今度は俺が突っ立ったまま、
反撃を受ける番。
「好きに決まってるって、
あんたは言ったけど、
私あんたに一回も“好き”なんて、
言われてないからね!?」
「や、そこはちょっと
突っ込まないで…」
…確かに、好きなんて
一度も言ってない。
けどさ、三、四年
一緒にいて、相手が自分のこと
嫌ってるって思い込んでる状況で
告白できるやつって、もう勇者だよ?
尊敬するわ。
当たって砕けろなんて言う人とかいるかもしれないけどさ、
砕けるなんてやだよ。
ずっと好きだったんだから、
そこで関係崩すくらいならって、
俺以外の世のへたれたちも、
共感してくれるはず。
って、四の五の言わずに
さっさと行動しろよ俺。
「…ごめん。」
「え…」
「…好きだよ、黛実ちゃん。
少しずつでもいいからさ、
俺のこと見てよ。
こんなに好きなんだよ…」
…本当はさ、
告白の場所とか色々考えてたんだよ?
少なくとも、こんな道の真ん中で
こんな成り行きみたいな形で告白するなんて、本当想定外にも程がある。
ありきたりな言葉を並べただけの
告白の言葉。
“好き”
そんなたった二文字に、
俺のどれだけの想いが詰まってるか、
伝わってる?


