そんなことを考えていると、
黛実の携帯から今人気のドラマの
主題歌が流れる。
ピッと、機械音を鳴らして、
黛実は電話に出た。
「もしもし?
…え、あ、うん…
うん、それで?」
電話に出た黛実は最初は笑顔だったものの、みるみるうちに表情を曇らせた。
黛実の顔がどんどん
深刻そうな顔になっていってる
…なにがあったんだろ…
「うん、そう…
わかった、じゃあ今からいく」
「え…!?」
今からいく!?
まだなにも頼んでないのに?
って、それより、
今からいくって、そんなに
急がなきゃいけないくらい、
大変なことがおきたの?
「ま、黛実?
大丈夫?なんかあったの?」
「あー…、うん。
大丈夫だから。そんな心配そうな
顔しないで、
来て5分くらいしか経ってないけど
ごめん!
急用が入っちゃって!」
黛実は申し訳なさそうに
眉を八の字にして、
胸の前で手を合わせそう言った。
「いや、そんな、
謝らなくていいから。
それより本当に大丈夫?
なにがあった…」
「本当ごめん!
私から誘っておいて…
これ、置いてくから使って!
今日は私のおごり!
本当ごめんね、じゃ!」
なにがあったの?と私が言おうとしたとき、被さるように黛実はそう言って、
一万円札をテーブルの上に置いて、
慌てた様子で行ってしまった。


