午後の仕事は賞状作りだったから、足立とひよりが判子を押す係で、りょう奈が賞状に名前を書く係で、貫はそれを乾かす係だった
私が日にちを、足立が第何位の判子を押した。
最初は文字も女子のどちらがやるか決めるのに時間がかかって、結局前半後半で交代してやっていくことになった

この二人は、陸上部の中で字が綺麗と言われている。りょう奈は習字をやっているけど、ひよりはただ単に綺麗なだけだったからやることになった
三十分間ものすごく沈黙が続いた

「ごめん、ひよりちゃん。ちょっと、代わってくれない」
「あっ、いいよ」
「手首が痛くなってきちゃって」
「無理はダメだよ」
と言って場所を交代した

真剣モードに入ったひよりは他の物が見えなかった。目の前の物に集中した。まるでそれは、貫を応援したときとまったく同じモードだった。
ひよりを見ると他の人までも完全に集中する