大会当日

私は、今日は大会に出ないから補助員として仕事をこなしていた。貫くんの1500mに間に合うように必死で頑張った。
でも、次から次へと仕事が山のように出てきて・・・
仕事が終わったのは貫のレース開始時刻3分前だった。
「終わった」なんて、言っている暇なんてないとすぐに部屋を飛び出して、スタンドへ全力ダッシュで上がり、ギリギリ走る前には辿り着けたとホッとしていたけど、それはただのほんの一瞬だけ・・・

「パンッ」と同士に私の表情は別人に変わる。そして、視界には彼しかうつらない・・・

誰よりも自分の声が聞こえるように
「貫くん、頑張れ」
一回、一回の応援で心を込めた。なんとか、聞こえるように必死になっていたから、終わった頃には顔が真っ赤になっていた。
自分でも、ちょっとびっくりした。

でも、“聞こえた”かなってどうしても気になってくる

ううん、きっと聞こえている。絶対聞こえているよ。
“大丈夫“