貫が降りて少し経つと母親が
「ひよりは、貫くんのことが好きなの」と聞いた

ひよりも否定することなく素直にすべてを話した。
そうすると、母親が
「良かったじゃない」
とミラー越しで笑っていた

普段だったら
「ふーん」と受け流すぐらいなのに今日はちゃんとした答えが返ってきた
だから、ひよりはとても嬉しそうな顔をしていた

久しぶりにひよりは話を聞いてもらえてとても嬉しかった。
心から幸せにこの一瞬だけ思えた。のも、ほんの数分だけだった。
母は、大阪で 中高生に人気のブランドの社長をやっているから、月に数回帰ってきて2、3日したらまた、仕事に行ってしまう
これが毎月繰り返しで、また今日には母は仕事に戻ってしまう。正直、とても寂しい気持ちもあるがひよりは絶対にそんな弱音を吐かないと"弟"と一緒に決めたから。
今日は私を家に送り届けたらすぐに荷物を持って行ってしまうから、弟と考えて母を少しでも笑顔にできたらと思って朝にあるものをサプライズで作って驚かせようとしていた。
少しでも仕事の支えになれたらと思って弟と二人でたくさんの思いを込めて作った。
母の好きな物をいっぱい詰めて私達も母も笑顔になれるようなものをね。
だから、早く見せてあげたな。どんな反応してくれるかな