「やだぁーー!!!離してぇぇぇ!」

「うるっせぇな!!!!黙れ!」

「お前が黙れ!そして離せ!この短気」

「んだとっ?!!!!」

そうするとなにかを閃いたように
ニコリと笑い、(目は笑ってない。)
私を世間でいうお姫様だっこした。

「きえええ!!!!」

「おまっ、キャッ とか可愛く言えねえのか!!」

「うるせぇ!!はよ離して!!」

「離さねぇよ。ってか可愛くねぇな、
おめぇ。」



可愛く、ない……。知ってるもん。
そんなこと、言われなくても知ってる。


急に黙り込んだ私を不思議に思ったのか
橘田が顔を覗いてきた。

「お前、へいき……か…って、なんで」



『 泣いてんの? 』



「な、泣いてないし!!!」
そう言って橘田の鳩尾を殴って(軽めに)
解放されると同時に走り出した。