愛言葉

しばらく走って
駅前の公園に着いた。




「…ハァ…ハァッ…
…並木、
何で走ったの…?」


華奈の問いに


「なんか…
新井とアイツを一緒に居させちゃいけない気がしたから……。」


並木が膝に手をついて屈みながら言った。





「………それよりさ…
さっきはきつく言ってごめんな…」

申し訳そうな顔をして謝る並木を見て華奈は並木とケンカしていたことを思い出した。


「大丈夫。
私こそしつこく言ってごめんね…。」


「…………さっきの男の人ね、
前のお父さんなの。」


「前の…?」

「本当のお父さんは、私が小さい頃に死んじゃって
さっきの人はお母さんが再婚した松田って言う人。」


並木は、話しをしていくにつれて華奈の身体が小刻みに震えてきているのに気づき、
そっと華奈の手を握った。