その後も俺たちは藤ヶ崎病院に居座り、聞き取り調査を続けた。薬局から消えた塩カリ2アンプルの行方、それに東郷悦子が関わっていないかを重点的に。
那智も言ってたように、飽くまで俺たちは悦子殺害の真犯人を見付けることが目的だ。
当時の記録も閲覧したいところだけど、俺たちが何を探っているかを病院側に勘付かれたくないので止めておいた。証拠を隠滅されでもしたら元も子もない。
そして、複数の関係者から得た情報を繋ぎ合わせ、時系列順に並べるとこうなる。
12月15日。
02:40、肝臓癌末期患者、渋谷順子(63歳)の容態が急変。
02:50、連絡を受けた当直医、辻岡が来棟。診察後、酸素吸入と昇圧剤投与の指示を出す。
03:15、バイタル安定。
03:30、辻岡医師再び来棟。この時、渋谷順子が何かを訴え、辻岡が身を屈めて彼女の口元に耳を寄せているのを看護師が目撃している。渋谷順子が何を言ったのかは不明。



