「その時は、先生の指示で昇圧剤の投与が開始されて、一命は取り留めました」
「昇圧剤の薬品名は?」
おいおい、そんなこと聞いてどうするよ? と。横で聞いていて内心思うも、那智はすこぶる真剣だ。
「プレドパです」
「プレドパ……」
那智はどこか納得したように、向山師長が口にした薬品名を繰り返した。
「それで?」
そうしてまた、先を促す。向山師長は渋々といった感じで言葉を続けた。
「その三日後でした。患者のレベルが急に低下したんです」
「意識不明の重体に?」
確認するように訊き返し、那智はちらと一瞬だけ俺に視線を送る。どうやら、『レベル低下って何?』という俺の心の中の問いを察したっぽい。
ありがたいけど面白くない。
「ええ、その数時間後、心停止して患者は亡くなりました。終末期の患者でしたし、ご家族も延命措置は拒否されていましたし。本当にあっという間の出来事でした」
「それが辻岡の仕業だと疑いがかかったんですね?」
「はい」
苦しげに表情を歪めて彼女は頷いた。
「昇圧剤の薬品名は?」
おいおい、そんなこと聞いてどうするよ? と。横で聞いていて内心思うも、那智はすこぶる真剣だ。
「プレドパです」
「プレドパ……」
那智はどこか納得したように、向山師長が口にした薬品名を繰り返した。
「それで?」
そうしてまた、先を促す。向山師長は渋々といった感じで言葉を続けた。
「その三日後でした。患者のレベルが急に低下したんです」
「意識不明の重体に?」
確認するように訊き返し、那智はちらと一瞬だけ俺に視線を送る。どうやら、『レベル低下って何?』という俺の心の中の問いを察したっぽい。
ありがたいけど面白くない。
「ええ、その数時間後、心停止して患者は亡くなりました。終末期の患者でしたし、ご家族も延命措置は拒否されていましたし。本当にあっという間の出来事でした」
「それが辻岡の仕業だと疑いがかかったんですね?」
「はい」
苦しげに表情を歪めて彼女は頷いた。



