そうして薬局長に別れを告げ、悪臭から解放されて清々しい気持ちで消化器内科に向かった俺たち。
「あの白衣、洗濯に出されたら終わりだろ?」
那智に向かって咎めるように言い放った。
糸屑か何かを三上の白衣から取った時――どうせそんなもん、三上の白衣に付着してなかったんだろうけど――那智が白衣のサイドポケットに小さな黒い物を忍ばせたのを俺は見た。
多分、盗聴器。
「あいつの臭い嗅いだか? あのタヌキは不潔の塊だ。白衣を洗濯するなんて、めったなことじゃしねぇよ」
自信満々に返す那智だが、そんなの、俺から言わせりゃ根拠も何もないただの勘だ。
「だからこそ、そろそろ洗濯に出すんじゃねぇの? 白衣の洗濯なんか業者がやるんだし」
「あんた、ポケットの中身見たの?」
「いや、見てねぇけど」
つーか、臭すぎて近付けなかったしね。



