ロシアンルーレットⅣ【クライムサスペンス】

「その当時はそうかもしれません。でも私が知ったのはつい最近ですから」

俺の疑問に対して、初音は曖昧に返した。


「最近とは? 具体的にお願いします」

「二カ月ほど前です」

「二カ月前が最近?」

「何が言いたいんですか?」

初音は苛立たしげに俺を睨む。


「何がって……」

「いえ、もう結構です。これからその病院を当たってみます」

那智が俺の言葉を遮って言い、立ち上がった。座ったままの俺を見下ろし、「行くぞ」と急かす。

年下のくせに命令口調、ムカつくよ。


「ご馳走様でした」

一口も飲んでないコーヒーの礼を言い、那智は足早に出口へ向かう。