「『勤めていた』? と言うと、今は?」
すぐさま俺が訊き返せば、
「わかりません。その病院は半年ほど前に退職しています。それから行方がわからないんです」
「行方がわからない? じゃあ退職後は悦子さんとも会ってない?」
俺が再び問えば、
「いいえ、姉とは連絡もとっていたし、時々会っていたみたいです。姉はそのことを私に隠していたので詳しくはわかりませんが、もしかしたら、姉は居場所を知っていて、それで殺されたのかも」
そう答えて初音は涙ぐんだ。その唇が微かに震えている。それはまるで、怒りや憎しみを噛み締めているように見えた。
「口封じ……」
那智がぼそりと呟いた。見れば、その横顔はどこか遠くをぼんやり見詰めている。
「退職した理由は何ですか?」
那智が物思いに耽っているので、俺が訊く。
「さあ……不祥事とかじゃないですか?」
「でも藤ヶ崎病院と言えば、この辺りでは有名ですよね? 不祥事でしたらマスコミでも相当話題になったんじゃないですか?」
すぐさま俺が訊き返せば、
「わかりません。その病院は半年ほど前に退職しています。それから行方がわからないんです」
「行方がわからない? じゃあ退職後は悦子さんとも会ってない?」
俺が再び問えば、
「いいえ、姉とは連絡もとっていたし、時々会っていたみたいです。姉はそのことを私に隠していたので詳しくはわかりませんが、もしかしたら、姉は居場所を知っていて、それで殺されたのかも」
そう答えて初音は涙ぐんだ。その唇が微かに震えている。それはまるで、怒りや憎しみを噛み締めているように見えた。
「口封じ……」
那智がぼそりと呟いた。見れば、その横顔はどこか遠くをぼんやり見詰めている。
「退職した理由は何ですか?」
那智が物思いに耽っているので、俺が訊く。
「さあ……不祥事とかじゃないですか?」
「でも藤ヶ崎病院と言えば、この辺りでは有名ですよね? 不祥事でしたらマスコミでも相当話題になったんじゃないですか?」



