「心当たりがあるんですね?」
那智が穏やかな口調で確かめるように問えば、はい、と初音は再び頷き、ポツリ、ポツリと語り始めた。それは言葉を選んでいるようにも見え、全てが真実ではないだろうと感じた。
「姉には付き合ってる人がいました。でもその男は女関係にだらしがなくて、他にも付き合いのある女性がたくさんいたんです。
姉の方は、彼のことを恋人だと思っていましたけど、彼の方はどうだか……。多分、大勢いる遊び相手のうちの一人だったんだと思います。
それでも姉は、彼を信じていました。本当に彼のことを愛していたんです。だから――
アイツは、姉のことが邪魔になったんだと思います」
初音がそこで口を噤んだので、
「その彼が悦子さんを殺した、あなたはそう思っている?」
俺が確認すると、「ええ」と初音は俺を真っ直ぐ見て答えた。
「その付き合ってた人ってのは誰なんですか?」
那智が単刀直入に訊ねる。
「姉と同じ病院に勤めていた医師の、辻岡昴(つじおか すばる)です」
迷うことなく初音は即答。
那智が穏やかな口調で確かめるように問えば、はい、と初音は再び頷き、ポツリ、ポツリと語り始めた。それは言葉を選んでいるようにも見え、全てが真実ではないだろうと感じた。
「姉には付き合ってる人がいました。でもその男は女関係にだらしがなくて、他にも付き合いのある女性がたくさんいたんです。
姉の方は、彼のことを恋人だと思っていましたけど、彼の方はどうだか……。多分、大勢いる遊び相手のうちの一人だったんだと思います。
それでも姉は、彼を信じていました。本当に彼のことを愛していたんです。だから――
アイツは、姉のことが邪魔になったんだと思います」
初音がそこで口を噤んだので、
「その彼が悦子さんを殺した、あなたはそう思っている?」
俺が確認すると、「ええ」と初音は俺を真っ直ぐ見て答えた。
「その付き合ってた人ってのは誰なんですか?」
那智が単刀直入に訊ねる。
「姉と同じ病院に勤めていた医師の、辻岡昴(つじおか すばる)です」
迷うことなく初音は即答。



