ロシアンルーレットⅣ【クライムサスペンス】

さすが女子の一人暮らし。部屋は奇麗に片付いているし、いい匂いがする。

ワンルームなのに、窓際に二人掛けソファーがあるだけでベッドはない。


「布団で寝てんのか」

ボソリ、不満げにこぼした那智は、押入れを恨めしそうに眺めた。

捜査中に何考えてんの? まじコイツ、何考えてんの? 捜査する気あんの?


マグカップをのせたトレイを両手で持ち、初音がようやくこちらに来た。カーテンをほんの少し開いて外の様子を眺めていた那智を目にし、彼女は訝しげに眉を顰めるも、

「どうぞ、掛けてください」

とソファーを勧めた。


俺たちが並んでソファーに腰掛けると、ローテーブルの前に立膝になって、その上に不揃いのマグカップ三つを並べた。

「ごめんなさい、こんなカップしかなくて。来客なんてほとんどないもんだから」

申し訳なさそうに謝り、初音は苦笑した。