ロシアンルーレットⅣ【クライムサスペンス】

「初音さん、あなたの気持ちはもちろん、俺にはわからない。双子の兄がいるわけじゃないし、コミュ障の兄が一人いるけど、残念ながら健在だ。

けど、悦子さん殺害の容疑が俺にかかってる以上、俺は必ず真犯人を突きとめる。このお兄さんは……」

言いながら那智の肩をポンポンと叩けば、那智は面白くなさそうに顔を顰めた。けど構わず続ける。

「こう見えて優秀な捜査官だ」

「どう見えるってんだよ」

すかさず那智が不満げに口を挟む。そんなのは聞き流し、更に言葉を繋いだ。

「きっと、真犯人を見付けてくれる。まぁ時間の問題だろうね。だから、知ってることがあるなら、今のうちに喋っちゃった方が、あなたにとっても得策だと思うんです。

ほんの些細なことでもいい、何か気になることや心当たりがあれば話して貰えませんか?」


初音は、はっとしたような顔をし、けれどすぐ目を伏せ、何か考えているような素振りを見せた。