ロシアンルーレットⅣ【クライムサスペンス】

「警察ですけど、呼びました?」

へらりと笑って、那智が返す。これじゃあ、いつまで経っても埒が明かない。


「あの、初音さん」

渋々横から口を挟めば、初音は那智の肩越しに俺を見た。


「実は、悦子さん殺しの容疑が俺にかかってて」

そう告げても、初音の顔色が変わることはなかった。


「それは……お気の毒に」

と、俺から視線を逸らして目を伏せた。

俺が真犯人じゃないと確信しているような口ぶりに、違和感。


「けど、俺はやってない。だから、自分の容疑を晴らすために真犯人を探しています。何でもいい、知っていることを全部、話してもらえませんか?」

「本当に、何も知らないんです」

答えた初音の瞳が、不安定に揺れる。

間違いなく初音は、何かを隠している。