ロシアンルーレットⅣ【クライムサスペンス】

「『いいえ』、とは?」

「仲は……良かったと思います」

「でも悦子さんは、恋人のことをあなたにも話してない。仲の良かった双子の妹さんにも話せないような相手……不倫、でしょうか?」

「だから何も知らないって言ってるでしょう? 何なんですか? 訊きたいことはそれだけですか? だったらもう、何もお話しできることはありません。帰ってください」

捲し立てるように言い、初音は扉を閉めようとした。

が、僅かに隙間が狭まっただけ。


初音が視線をゆっくり下へと落とす。ドアと壁との隙間に、那智のごっついレザーブーツの先っぽが挟まっていた。


目線を上げて再び那智を睨みつけ、

「いい加減にしてください! 警察呼びますよ?」

初音が怒鳴る。