「5階だぞ? なんで階段?」
慌てて引き留めようとすれば、
「エレベーターの位置は把握した。それで充分だろ?」
と、こちらを振り返ることもせず素っ気なく返された。意味がわからん。
呼吸苦と闘いながら、那智より数分遅れで5階へ到着。那智は、初音の部屋の前にいるようだけど、ドアとは反対側、コンクリートの手摺に掴まって、半身を乗り出し上方を仰ぎ見ていた。
何やってんだ、こいつ……。
俺に気付くと那智は、
「遅ぇな」
呆れたように言って、ふっと失笑を漏らした。
インターホンを鳴らせば、待ち構えていたように扉が開く。もちろん、しっかりチェーンロックはされていた。
隙間から覗いた顔は、俺が今朝会った妄想女と、作りは一緒のような気がする。けど雰囲気がまるで違った。
化粧をしてないからかも知れない。
付け睫毛なんかしなくても、パッチリとした円らな瞳。どぎつい色のリップグロスなんか塗ってなくても、ほんのり桜色のぷるんとした唇。綺麗に象られた眉。色白の肌。
フツーに可愛い。
慌てて引き留めようとすれば、
「エレベーターの位置は把握した。それで充分だろ?」
と、こちらを振り返ることもせず素っ気なく返された。意味がわからん。
呼吸苦と闘いながら、那智より数分遅れで5階へ到着。那智は、初音の部屋の前にいるようだけど、ドアとは反対側、コンクリートの手摺に掴まって、半身を乗り出し上方を仰ぎ見ていた。
何やってんだ、こいつ……。
俺に気付くと那智は、
「遅ぇな」
呆れたように言って、ふっと失笑を漏らした。
インターホンを鳴らせば、待ち構えていたように扉が開く。もちろん、しっかりチェーンロックはされていた。
隙間から覗いた顔は、俺が今朝会った妄想女と、作りは一緒のような気がする。けど雰囲気がまるで違った。
化粧をしてないからかも知れない。
付け睫毛なんかしなくても、パッチリとした円らな瞳。どぎつい色のリップグロスなんか塗ってなくても、ほんのり桜色のぷるんとした唇。綺麗に象られた眉。色白の肌。
フツーに可愛い。



