ロシアンルーレットⅣ【クライムサスペンス】

髪は眩いほどの金髪で、生成りの半袖Tシャツにベージュのカーゴパンツというラフな格好。折った右足の膝を左手で胸に抱えて椅子に座り、右手は机上のマウスをしっかり握り締めている。

その横顔には見覚えがあった。


なーにが『捜査に私情を挟まねぇ』だよ。捜査中に関係者と寝た男じゃねぇか。


潜入捜査官――

――芹沢 那智(せりざわ なち)。


那智の耳の穴に嵌まっているものが、嫌でも目に留まる。これのせいで、俺のノック音がコイツの鼓膜に届かなかったのか、と無性に腹が立った。

垂れ下がって湾曲してパソコンと耳とを繋いでいる細いコード。俺は歩み寄るなり、パソコンの方から乱暴に引き抜いた。


たちまち大音量で響き渡ったのは、

女の喘ぎ声……?


焦ってモニター画面に視線をやれば、下半身を激しく打ち付け合っている全裸の男女。正に、合体している最中であった。