じろり、細めた横目で俺を睨みつけ、渋々といった感じで、谷口さんは再び口を開いた。
「最近、濁瀬川(にごせがわ)に出回ってる麻薬だけど、」
珍しく深刻な面持ちの谷口さんは、ここで一旦、言い辛そうに口を噤む。
濁瀬川(※実在しません)は、『日本のスラム街』と呼ばれている地区だ。濁瀬川によって都心と隔たれたそこは、外国人が多く居住していて、とにかく治安が悪い。
路地裏に迷い込もうものなら、まず生きて帰ることはできない……らしい。濁瀬川はその名の通り濁流で、その濁りは無数の死体が沈められているためだと噂されている。
というか……。
「あそこはどこの管轄かが曖昧で、結局どこも介入してないっていう、言わば無法地帯だろ? どうしてそんなとこの捜査してんの?」
「地区内で大人しく商売しててくれりゃあ、こっちも文句はねぇよ」
谷口さんは正面を向いたまま、面倒臭そうに答えた。
「地区外に進出かぁ……」
「まぁそういうことだ。となると、俺らも動かなきゃなんねぇよな?」
めんどくせぇ、と続けて、谷口さんは苦々しく舌を鳴らした。
「最近、濁瀬川(にごせがわ)に出回ってる麻薬だけど、」
珍しく深刻な面持ちの谷口さんは、ここで一旦、言い辛そうに口を噤む。
濁瀬川(※実在しません)は、『日本のスラム街』と呼ばれている地区だ。濁瀬川によって都心と隔たれたそこは、外国人が多く居住していて、とにかく治安が悪い。
路地裏に迷い込もうものなら、まず生きて帰ることはできない……らしい。濁瀬川はその名の通り濁流で、その濁りは無数の死体が沈められているためだと噂されている。
というか……。
「あそこはどこの管轄かが曖昧で、結局どこも介入してないっていう、言わば無法地帯だろ? どうしてそんなとこの捜査してんの?」
「地区内で大人しく商売しててくれりゃあ、こっちも文句はねぇよ」
谷口さんは正面を向いたまま、面倒臭そうに答えた。
「地区外に進出かぁ……」
「まぁそういうことだ。となると、俺らも動かなきゃなんねぇよな?」
めんどくせぇ、と続けて、谷口さんは苦々しく舌を鳴らした。



