ロシアンルーレットⅣ【クライムサスペンス】

「してもいないのに痴漢呼ばわりされて、それでカッとなって……殺(や)った?」

「殺るわけねぇだろ! 証拠もないのにふざけんなよ。お前らのやり方おかしいだろ? そりゃ冤罪も増えるよな」

チクリと嫌味を言ってやった。けどそんなのメガネくんは物ともせず、つらつらと説明を始める。

「今現在、遺体は司法解剖に回っていて、まだ詳細はわかりませんが、被害者は胸に銃弾二発を受け失血死したと思われます。左手には毛髪の束が握られていました。DNA鑑定、させてもらってもいいですか?」

「勝手にやればいいだろ? なんでいちいち俺に……」

そこまで言って、ハッとする。

そういえばあの時、女は俺の髪をゴッソリ引っこ抜いた。そして最後に目にした時も、俺の髪束はその左手にしっかり握りしめられていた。


「あなたの髪の毛、一本頂けますか? 証拠がいるんですよね?」

言ってメガネくんは、ニッと愛想のいい笑みを浮かべた。