「動くなよ?」
言いながら高広は、ナイフの刃先を向けたまま那智に歩み寄る。
「おい、よせ!」
咄嗟にそれを阻止しようと二人の間に割り込んだら、高広と至近距離で向き合う破目に。
天才という生き物は、時々こういう不具合を起こすらしい。実に面倒くさい。
「……と見せかけて、やっぱお前」
訳のわからんことを、楽しげに口にした高広。けれど直後、その言葉の意味を痛いほど理解する。
ずぶっ、そんな音というか感触が全身に響き渡った。俺の左脇腹を、何か鋭利なものが突き破ったんだろう。その何かは多分、高広のバタフライナイフ。
燃えるように熱い患部に片手を添えれば、Tシャツが若干湿っていた。
すぐに一歩後退した高広。ナイフごと離れて俺から距離をとったヤツに向かって、
「たか……てっめっ……」
漏らした呻きは弱々しく……。どうして俺がこんな目に? そんな思考が頭の中をグルグルグルグル駆け巡る。
自然と両膝が地に着いた。そのまま身体も崩れ落ちる。恨めしい気持ちで自分の傍らに立つ金髪の男を見上げれば、
「皆人より、芹沢くんが動けた方が、都合いいからなぁ」
ムカつくニヤけ顔で言いながら、ナイフの刃先をハンカチで拭っていた。
言いながら高広は、ナイフの刃先を向けたまま那智に歩み寄る。
「おい、よせ!」
咄嗟にそれを阻止しようと二人の間に割り込んだら、高広と至近距離で向き合う破目に。
天才という生き物は、時々こういう不具合を起こすらしい。実に面倒くさい。
「……と見せかけて、やっぱお前」
訳のわからんことを、楽しげに口にした高広。けれど直後、その言葉の意味を痛いほど理解する。
ずぶっ、そんな音というか感触が全身に響き渡った。俺の左脇腹を、何か鋭利なものが突き破ったんだろう。その何かは多分、高広のバタフライナイフ。
燃えるように熱い患部に片手を添えれば、Tシャツが若干湿っていた。
すぐに一歩後退した高広。ナイフごと離れて俺から距離をとったヤツに向かって、
「たか……てっめっ……」
漏らした呻きは弱々しく……。どうして俺がこんな目に? そんな思考が頭の中をグルグルグルグル駆け巡る。
自然と両膝が地に着いた。そのまま身体も崩れ落ちる。恨めしい気持ちで自分の傍らに立つ金髪の男を見上げれば、
「皆人より、芹沢くんが動けた方が、都合いいからなぁ」
ムカつくニヤけ顔で言いながら、ナイフの刃先をハンカチで拭っていた。



