再び訪れた沈黙を、俺が破ってやった。
「辻岡昴に確認したいことがある。会わせろ」
「それが人に物を頼む態度か?」
そう言いながらも、ヒゲの物言いは柔らかい。
「ヒゲメガネさん、ヒゲメガネさん、僕たちを辻岡さんに会わせてもらえないでしょうか?」
酷い棒読みだけど、一応、ヒゲの望み通り丁寧口調で懇願。祈るように両手を胸の前で組んで。
「やってみよう」
言って、意味不明な笑みをニッと浮かべ、ヒゲは縁側の上に立ち上がった。おもむろにクルリと半回転して俺たちに背を向けると、何も言わずに家の奥へと消えた。
庭に取り残された俺と那智は、自然と顔を見合わせた。
「あいつ、辻岡に電話しに言ったのか?」
俺が勝手な想像で物を言えば、
「わざわざ、家電(いえでん)?」
と、的確な疑問が返って来た。
だがしかし、予想は大きく裏切られ(と言ってもヒゲが、予想できる行動をとることの方が予想外)、再び現れたヒゲは、何ていうか……完璧に仕上がった姿だった。
くわえ煙草がなきゃ、誰だかわからない。
パリッとしたダークスーツに身を包み、肩まである金髪は後頭部で一つにまとめている。伊達眼鏡も外し、トレードマークの髭も綺麗に剃り落してあり、口元はツルピカ。
もう『ヒゲ』って呼べねぇじゃん。
「辻岡昴に確認したいことがある。会わせろ」
「それが人に物を頼む態度か?」
そう言いながらも、ヒゲの物言いは柔らかい。
「ヒゲメガネさん、ヒゲメガネさん、僕たちを辻岡さんに会わせてもらえないでしょうか?」
酷い棒読みだけど、一応、ヒゲの望み通り丁寧口調で懇願。祈るように両手を胸の前で組んで。
「やってみよう」
言って、意味不明な笑みをニッと浮かべ、ヒゲは縁側の上に立ち上がった。おもむろにクルリと半回転して俺たちに背を向けると、何も言わずに家の奥へと消えた。
庭に取り残された俺と那智は、自然と顔を見合わせた。
「あいつ、辻岡に電話しに言ったのか?」
俺が勝手な想像で物を言えば、
「わざわざ、家電(いえでん)?」
と、的確な疑問が返って来た。
だがしかし、予想は大きく裏切られ(と言ってもヒゲが、予想できる行動をとることの方が予想外)、再び現れたヒゲは、何ていうか……完璧に仕上がった姿だった。
くわえ煙草がなきゃ、誰だかわからない。
パリッとしたダークスーツに身を包み、肩まである金髪は後頭部で一つにまとめている。伊達眼鏡も外し、トレードマークの髭も綺麗に剃り落してあり、口元はツルピカ。
もう『ヒゲ』って呼べねぇじゃん。



