ヒゲは初対面の那智を一瞥するも、それについては何も問うことなく、すぐに視線を俺に戻した。
それはまるで、俺たちが何をしに来たのか承知しているように映った。というか、俺たちが来ることすらわかっていたように、落ち着き払った様子で、その日本人離れした顔に薄っすら笑みさえ浮かべている。
「辻岡昴を知ってるか?」
唐突に切り出せば、ヒゲは不思議そうに小首を傾げた。肩まで届くブロンドの髪が、さらりと揺れる。
ほんの僅かな沈黙の後、
「ああ、俺の可愛い後輩だ」
伊達眼鏡の奥の目を細め、意味ありげな微笑を浮かべた。
そして再びの静寂。隠すつもりはないが、自らべらべら話す気もないらしい。
「彼のことについて詳しく聞きたい」
「ざっくりだなぁ……。潔くズバッと訊けよ。俺んとこに辿り着いたってことは、調べはついてんだろ?」
俺、駆け引きとか苦手でさ、と、どうでも良さそうにボソリとこぼしながら、両手を上げて気怠そうに伸びをした。
ヒゲのその動きに、那智が反射的に警戒して身構えた。右ひじを後方に引き、その手は尻に添えられている。
「おいおい、俺丸腰だぜ? 物騒な兄ちゃんだな」
両手をホールドアップして、ヒゲがおどけて言う。
それはまるで、俺たちが何をしに来たのか承知しているように映った。というか、俺たちが来ることすらわかっていたように、落ち着き払った様子で、その日本人離れした顔に薄っすら笑みさえ浮かべている。
「辻岡昴を知ってるか?」
唐突に切り出せば、ヒゲは不思議そうに小首を傾げた。肩まで届くブロンドの髪が、さらりと揺れる。
ほんの僅かな沈黙の後、
「ああ、俺の可愛い後輩だ」
伊達眼鏡の奥の目を細め、意味ありげな微笑を浮かべた。
そして再びの静寂。隠すつもりはないが、自らべらべら話す気もないらしい。
「彼のことについて詳しく聞きたい」
「ざっくりだなぁ……。潔くズバッと訊けよ。俺んとこに辿り着いたってことは、調べはついてんだろ?」
俺、駆け引きとか苦手でさ、と、どうでも良さそうにボソリとこぼしながら、両手を上げて気怠そうに伸びをした。
ヒゲのその動きに、那智が反射的に警戒して身構えた。右ひじを後方に引き、その手は尻に添えられている。
「おいおい、俺丸腰だぜ? 物騒な兄ちゃんだな」
両手をホールドアップして、ヒゲがおどけて言う。



