「32歳、独身。東大出身か……。頭良さそうな感じじゃなかったけどな」
辻岡に会った時の印象を、無意識的に漏らしていた。
「馬鹿と天才は紙一重。それか、演技。素性を知られないための」
「ふーん」
気のない相槌を打つが、那智は気に留める様子もなく、細かい文字の羅列を食い入るように見詰めている。
「けど東大出のやつが、なんで地方の――しかも私営の病院に?」
ふと沸いた疑問を那智に投げかければ、
「三年前に祖母が膵臓癌で死亡。その一ヶ月後に、東大病院から藤ヶ崎病院に移ってる」
すぐさまそう返ってきた。
画面一杯、ぎゅうぎゅう詰めの文字。そんなのを読むなんて、面倒くさいし目が疲れる。那智にやらせればいいと思う。
「両親は?」
「健在だ。父親が福岡で辻岡医院を経営。内科、消化器科、外科、肛門科」
那智はモニターから目を離すことなく、そこに記されている内容を淡々と読み上げる。
「福岡出身か」
「そうらしいな」
言い終わった頃にはもう、画面には次のファイルが表示されていた。それは通話履歴。多分、辻岡の携帯のものだ。
辻岡に会った時の印象を、無意識的に漏らしていた。
「馬鹿と天才は紙一重。それか、演技。素性を知られないための」
「ふーん」
気のない相槌を打つが、那智は気に留める様子もなく、細かい文字の羅列を食い入るように見詰めている。
「けど東大出のやつが、なんで地方の――しかも私営の病院に?」
ふと沸いた疑問を那智に投げかければ、
「三年前に祖母が膵臓癌で死亡。その一ヶ月後に、東大病院から藤ヶ崎病院に移ってる」
すぐさまそう返ってきた。
画面一杯、ぎゅうぎゅう詰めの文字。そんなのを読むなんて、面倒くさいし目が疲れる。那智にやらせればいいと思う。
「両親は?」
「健在だ。父親が福岡で辻岡医院を経営。内科、消化器科、外科、肛門科」
那智はモニターから目を離すことなく、そこに記されている内容を淡々と読み上げる。
「福岡出身か」
「そうらしいな」
言い終わった頃にはもう、画面には次のファイルが表示されていた。それは通話履歴。多分、辻岡の携帯のものだ。



