不意に那智が顔だけ俺の方を向く。相変わらずの無表情で、口だけを動かした。
「タイプじゃない」
と。
「はぁ? あ、あんたのタイプなんか、どうでもいんだけどっ!」
堪えきれずに、那智を突き飛ばすようにして距離を取った理沙に笑えた。那智はその圧にあっさり負け、力なく一歩後退するも、感情を微塵も表すことなく、じっと理沙を見詰めている。
「すっげぇ美人だけど」
と、不穏な空気を取り繕う目的で発せられただろう那智の称賛に、たちまち理沙の表情が緩む。単純すぎる。バッカみたい。
「時間がないんだ。頼んだものは出来た?」
俺から用件を切り出した。理沙はムッとして、
「頼んだ分際で偉そうに。まぁ他でもない龍の弟の頼みだから……」
などとブツブツこぼしながら、ジーンズのサイドポケットからUSBを抜き出し、俺に差し出した。
「サンキュー、ベリーマッチョ龍一。金はオッサン(桜庭)に請求しろ」
意識的に笑みを作って言ったふざけた礼の言葉は、はっ、と失笑された。
「タイプじゃない」
と。
「はぁ? あ、あんたのタイプなんか、どうでもいんだけどっ!」
堪えきれずに、那智を突き飛ばすようにして距離を取った理沙に笑えた。那智はその圧にあっさり負け、力なく一歩後退するも、感情を微塵も表すことなく、じっと理沙を見詰めている。
「すっげぇ美人だけど」
と、不穏な空気を取り繕う目的で発せられただろう那智の称賛に、たちまち理沙の表情が緩む。単純すぎる。バッカみたい。
「時間がないんだ。頼んだものは出来た?」
俺から用件を切り出した。理沙はムッとして、
「頼んだ分際で偉そうに。まぁ他でもない龍の弟の頼みだから……」
などとブツブツこぼしながら、ジーンズのサイドポケットからUSBを抜き出し、俺に差し出した。
「サンキュー、ベリーマッチョ龍一。金はオッサン(桜庭)に請求しろ」
意識的に笑みを作って言ったふざけた礼の言葉は、はっ、と失笑された。



