「そちらは……?」
視線を那智から逸らすことなく、俺に尋ねた。理沙と那智は本当に面識がないようだ。
「初めまして、芹沢那智です」
那智が愛想笑いっぽい笑顔を張り付け、理沙に向かって右手を差し出した。おずおずとそれを握り返しながら、理沙は躊躇いがちに口を開く。
「ああ、あなたが……。噂には聞いてたけど、本当に……」
目の前の男を呆然と見詰める理沙。その頬にほんのり赤みが差す。
那智ほどの美形はそうそう居ない、それは認めるけど――
――イイ年して、見惚れ過ぎだ。恥ずかしげもなく。
那智がおもむろに、理沙と繋がっている腕をグイと引く。間近に引き寄せられた理沙は、当然驚いて更に大きく目を見開いた。
ほんの少し高い位置から注がれる那智の目線に、敗北したように理沙の方が視線を落として逸らした。
那智の突拍子もない行動はもう見慣れた。けど初対面の理沙は違う。
それでも負けず嫌いで意地っ張りの理沙は、自分から逃げるなんてことは出来ないらしい。じっと床を見詰めたまま、那智が自ら離れるのを待っていた。
視線を那智から逸らすことなく、俺に尋ねた。理沙と那智は本当に面識がないようだ。
「初めまして、芹沢那智です」
那智が愛想笑いっぽい笑顔を張り付け、理沙に向かって右手を差し出した。おずおずとそれを握り返しながら、理沙は躊躇いがちに口を開く。
「ああ、あなたが……。噂には聞いてたけど、本当に……」
目の前の男を呆然と見詰める理沙。その頬にほんのり赤みが差す。
那智ほどの美形はそうそう居ない、それは認めるけど――
――イイ年して、見惚れ過ぎだ。恥ずかしげもなく。
那智がおもむろに、理沙と繋がっている腕をグイと引く。間近に引き寄せられた理沙は、当然驚いて更に大きく目を見開いた。
ほんの少し高い位置から注がれる那智の目線に、敗北したように理沙の方が視線を落として逸らした。
那智の突拍子もない行動はもう見慣れた。けど初対面の理沙は違う。
それでも負けず嫌いで意地っ張りの理沙は、自分から逃げるなんてことは出来ないらしい。じっと床を見詰めたまま、那智が自ら離れるのを待っていた。



