ロシアンルーレットⅣ【クライムサスペンス】

「口封じの必要はなかった」

結論を端的に述べた那智。主語とか色んなものを端折り過ぎだけど、言いたいことはわかった。


「真犯人じゃないとしても、とりあえずは、辻岡についてもっと知る必要があるな。めんどくせぇ」

感情のない声で淡々と言うが、何気に本音をこぼしちゃってるあたり、やっぱこいつはゆとり世代だと、ゆとり社会の被害者の一人なんだと、どうでもいいことを思った。


微かに顔を顰める那智に、

「面倒なことは他のやつにやらせればいい」

言ってやり、クイッと両口角を上げて微笑みつつ、ジーンズのバックポケットから携帯を取り出した。


コール音を散々聞いてからようやく繋がった電話の相手に、何の前置きもせず辻岡について調べて欲しいとだけ伝えれば、忙しいだの急に言われても困るだの、ぐずぐず文句を言い始めたので一方的にこちらから通話を終わらせた。

何だかんだ言いながらも結局、実行せざるを得ないわけで。そんな愚痴を俺が聞くのは、無駄以外の何物でもなかった。