「死を処方する医師、ジャック・ケヴォーキアン」
妙に意味ありげな顔で小さく答えた那智。このガキ、情報を小出しにしかできねぇの? 苛々する。ストレスが溜まる。
つっても、人の名前――医師の名前であることはわかった。
「自殺幇助?」
「まぁそうだけど、ちょっと違う。安楽死。自殺装置を作って、末期癌に苦しむ患者を安楽死させた。実在した医師だ」
「へぇ……じゃあお前、辻岡は癌の末期症状に苦しむ患者を安楽死させたって言いてぇの?」
「それ以外に、彼がその患者を殺す理由があんの?」
「まぁ、無い……よなぁ……」
コンビニの外に設置された筒状の灰皿の上に煙草を持って行き、親指で軽く弾けば、白くなった先っぽがポトリ、ステンレス製の丸い穴の中へ落ちた。
再びそれを口にくわえて思い切り吸い込む。
「末期癌患者の不審死。その直前の悦子と辻岡の言い争い。消えた塩カリ2アンプル」
那智がぼそぼそと小声でキーワードを並べた。視線は目の前の紙コップを通り越し、どこか遠くへぼんやりと注がれている。
妙に意味ありげな顔で小さく答えた那智。このガキ、情報を小出しにしかできねぇの? 苛々する。ストレスが溜まる。
つっても、人の名前――医師の名前であることはわかった。
「自殺幇助?」
「まぁそうだけど、ちょっと違う。安楽死。自殺装置を作って、末期癌に苦しむ患者を安楽死させた。実在した医師だ」
「へぇ……じゃあお前、辻岡は癌の末期症状に苦しむ患者を安楽死させたって言いてぇの?」
「それ以外に、彼がその患者を殺す理由があんの?」
「まぁ、無い……よなぁ……」
コンビニの外に設置された筒状の灰皿の上に煙草を持って行き、親指で軽く弾けば、白くなった先っぽがポトリ、ステンレス製の丸い穴の中へ落ちた。
再びそれを口にくわえて思い切り吸い込む。
「末期癌患者の不審死。その直前の悦子と辻岡の言い争い。消えた塩カリ2アンプル」
那智がぼそぼそと小声でキーワードを並べた。視線は目の前の紙コップを通り越し、どこか遠くへぼんやりと注がれている。



