俺と話す時、あんなに恥ずかしがりながら言葉を口にする女…初めてだ。


最後は顔が真っ赤だったし…。


なんか、面白いヤツだな…小春川。


「……………。」


えっ…!?


今、俺…小春川のこと“面白い”って思った…?


女なんて、基本…ウザいとか鬱陶しいとか、それぐらいしか感じたことないのに。


女に対して初めて抱いた変な気持ちに、戸惑ってしまった。


どうして、そんな風に思ったんだろう…。


よく分からねぇ。


俺は、クシャクシャと頭を掻いた。


まあ、いいや。


あまり気にしないでおこう。


俺が、小春川に協力をするのは…単に罪滅ぼしだ。


男が苦手だと言ったアイツの言葉が信用出来なくて、試したことに対しての。


ただ、それだけなんだから…。


そう言い聞かせて、よく分からない気持ちを心の片隅に埋めた。


これが、俺にとっての…初めての始まりだなんて思いもせずに。