そんな風に俺を気遣わなくてもいいのに。


しかも、協力するのが面倒になったら…いつでも言って下さいとか…


謙虚すぎるだろ。


心の中で呟いた。


その後、そろそろ家に帰ろうと思い、昇降口を出た俺。


ふと、気になることが頭に浮かんだ。


そう言えば、小春川って…昨日からずっと俺に敬語使ってるっけ…。


きっと、男と話すのが抵抗あるからなんだろうけど、同い年なわけだし…ちょっと不自然だよな。


俺は足を止めて、小春川に敬語を使わないように言うと、早速…返事が返って来た。


かなりぎこちない声だけど、頑張って普通に話そうとしているのが伝わってきて、少し笑みが零れる。


「そう、その調子!んじゃ、また明日な。」


「うん、ま…また明日。」


今度は上擦る小春川の声。


かなり恥ずかしかったのか、小春川の顔は…みるみるうちに赤く染まっていく。


頬をパタパタと必死に仰ぐ仕草に微笑ましさを感じながら、足早に学校を出た。