「小春川ってさ、マジで男が苦手なんだな…。ごめん…。」


「えっ…?」


ど、どうして水城君が謝るんだろう?


“ごめん”の意味が分からなくて、小さく首を傾げた。


「あのさ、小春川…。」


「はい…。」


低いけど、とても穏やかな声。


水城君の眼差しは真っ直ぐ私へと向けられていた。



「俺が、協力してやるよ。」


「えっ…?」


「お前の苦手意識、俺がなくしてやるから。」


水城君が、私の男の子に対する苦手意識をなくすために協力してくれる…!?


思いも寄らない発言に瞬きを繰り返した。


「そ、そんな…協力していただくなんて悪いです…。」


「だけど、今のままだと学校生活を乗り切るのが大変だろ?女子校みたいに、男と関わらずに過ごせるってわけじゃねぇし。」


「そ、それはそうですけど……」


口ごもる私に、水城君はフッと笑った。