「それでね、律矢の指名で…私が小春川さんの隣に来た…ってわけ!」


「そ、そうなんだ…。」


キョロキョロと教室を見回す。


すると、窓際…一番前の席で男の子たちと喋っている水城君の姿が目に映った。


水城君、私が男の子のことを苦手だっていうのを知って…


それで、わざわざ配慮してくれたのかな…。


本当…優しい人だな、水城君。


あらためて実感していると、不意に水城君がこちらに視線を向ける。


突然のことで驚いた私は、慌てて視線を逸らした。


はぁ…。
びっ、ビックリした…。


私がジッと見ちゃったから、水城君…不穏な視線を感じたのかもしれない。


何やってるんだ…私。


心の中で溜め息を零していると、眞田さんがトントンと私の肩を軽く叩いた。


「ねぇ、小春川さん…。」


「は、はい…。」


「あのさ、保健室で…律矢と何かあった?」